英語脳と右脳
歌や踊りが上手い人は英語も上手いという通説がありますが、全くその通りだと思います。
どんな凄いプロのシンガーやダンサーでも最初は憧れのスターの物真似から入ったはずです。
つまり、真似る能力に長けていると言えます。
英会話は英米人(ガイジン)の物真似というカテゴリーなので、つまり歌や踊りが上手い人は往々にして語学も堪能です。
フィリピン人は一般的に歌や踊りが上手く、さらに語学的才能に秀でるとよく言われます。
例えばセブのフィリピン人は母語のビサヤ語に加え、フィリピンの標準語であるタガログ語も同時に理解し、そしてさらに英語も堪能です。
そんなフィリピン人の中でも私の記憶に残るほど流暢な英語を話す人には共通する特徴があります。
それは「ボディランゲージ」です。
ボディランゲージの重要性
フィリピンでは英語が堪能なことが一種の社会的なステイタスの象徴だと言われます。
富裕層の家庭では英語しか話さないのもそういった社会的背景があります。
英語が流暢なフィリピン人が英語を話す時に発音やアクセントのみならず身振り手振り及び表情がガラリと切り替わります。
その人にボディランゲージについて意識したことがあるのかと尋ねたことがあるのですが、無意識で行っていました。
つまり、頭の中でこの会話にはこのボディランゲージを使うべきだといちいち判断しているわけではなく、マインドの具現化として言語とボディランゲージは同時に表現されています。
これは以前マナビジンというフィリピン留学情報サイトへ寄稿させて頂いた内容と重なりますが、マインド、言語、ボディランゲージ(ジェスチャー)の三位一体説です。
言語とボディランゲージはマインドを司令塔にどちらが欠けても実現しない相関関係にあります。
表情もボディランゲージの一種です。
恐怖を感じた時には特有の表情となり、喜びや怒りも表情だけで心の様子が分かります。
実際、ハリウッドの映画等に出てくる俳優のしぐさを意識して観察すると、英語ネイティブ独特の動きが分かります。
・やたらと手のひらを上に向ける
・肩をすくめる
・腹から口の方へ言葉を引っ張り出すような仕草
・突然目をカッと見開く
・眉や顔の表情の変化が多い
・やたらその辺を指さす
・手のひらと連動し15度位首を傾ける
・やたらと小さく首を横にふる
映画やドラマを見ながら私がキャプチャーした特徴なので、ほかにももっとあるかもしれません。
しかし、これらのボディランゲージは無意識で行われているのは確かで、マインドにより言語と並列で指示された結果であると言えます。
うなずいているのは日本人
ここ数年、セブ島留学が盛んとなり、ショッピングモールや観光地で多くの日本人を見かけるようになりました。
それと同時に中国や台湾からの留学生も激増しております。
しかし、一般のフィリピン人からすると日本人と韓国人と中国人の顔は同じに見えると言われます。
私もフィリピンに長く住んでいるせいか、ぱっと見、日本人と台湾人の区別があまりつきません。
しかし、日本人だと判別する方法が一つだけあります。
それは「うなずき」です。
日本人の象徴「うなずき」
以前、カナダ人の友人から「いつもうなずいているのが日本人だ」と指摘され、それ以来私も意識するようになりました。
私は2007年に日本でレーシック手術を受け、0.01だった視力が2.0まで回復したので、50m先からでもうなずいている人が認識できます。
日本人は会話をする際、お互いに軽く「うなずき」ながら話すという暗黙のソーシャルマナーがあります。
英語を話す時も頻繁にうなずいています。
「別にうなずいたっていいじゃないか?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、言語とボディランゲージは司令塔であるマインドから生まれた双子であるならば、ボディランゲージが日本仕様であるかぎり常に日本語で思考していると言えます。
ボディランゲージを意識して英米仕様にすることにより、逆にマインドも遡って影響を受けます。
ちなみに私はビサヤ語を話す時はフィリピン仕様の表情とボディランゲージ抜きでは話せません。
もちろんその際のマインドもフィリピン人になりきっています。
ぜひうなずきを止めて、ボディランゲージを少し大げさなくらいにカスタマイズしながら英会話を行うのが英語脳への近道です。
そのことが英語脳のスイッチを作ってくれるはずです。
「うなずき」を止める方法へ
しかし、実際にはついつい無意識にうなずいてしまうのではないでしょうか?
そこで今回は私が実際に行って効果絶大だと感じる「うなずき」を制御する技をお伝えしたいと思います。
その1 眉を動かす
人間の体は何かに集中すると別のことがおろそかになるように出来ています。
ぜひその習性を利用しましょう。
私が実際使って非常に有効だと感じているのはうなずきそうになったら「眉を大きく動かす」という技です。
ためしに誰も見ていない所で眉を動かしながらうなずいてみてください。
かなり難しいことが分かると思います。
日本人は会話の中で1㎜も眉を動かすことはありませんので、この眉を大きく動かすという作業はかなり刺激的で英会話の中でうなずくことをきっと忘れさせてくれるはずです。
ハリウッドの映画やドラマを見ていると、俳優さんの表情のバリエーションは多く、日本人に比べると眉がかなり動いています。
つまり、顔での表現方法が豊かであれば、うなずくことなく良好に相手とコミュニケーションが取れます。
その2 手のひらを上に向ける
これも映画やドラマを見ていると手のひらを盛んに上に見せながら会話をしているシーンが見られます。
恐らく、自分は何もつつみ隠さず本音で話しているということを相手に伝えるマインドの現れからこういったボディランゲージが確立されていったものですが、これも普段日本語を話す時にあまりやらない動きなのでうなずきを矯正するには非常に有効です。
「I don't know.」「No choice.」等、仕方ないような時に使います。
これは鼻の前で手を振って「ダメ」という日本特有のボディランゲージを抑制するのに有効です。
エアクオート
両手のひとさし指と中指を相手に2度クイクイと折り曲げる動きです。
このジェスチャーは「“ ”」(ダブルクォーテーションマーク)を意味します。
つまり特定の単語を強調する際に登場します。
ハイファイブ
これは日本ではハイタッチと言われるもので、フィリピンでも盛んにおこなわれており、留学期間中に教室の中で必ず行われる儀式的なボディランゲージです。
何か上手く行って「Good job」という時に登場します。
サムズアップ
拳を握り親指を上に立てる動きです。
「I'm ok」という時に使いますのでこれもうなずきを制御するのに有効です。
SO-SO(ソゥソゥ)
手のひらを下にして平行にシェイクします。
「まあまあ」といった時に使われますが、フィリピンで初めて食べたバロット(アヒルのふ化卵)が微妙な味だったときにもこれが使えます。
まとめ
ぜひ英語を話す時には英語特有のボディランゲージとコネクトさせ、ボディランゲージなしでは英語が出て来ないとなれば大成功です。
ぜひ眉と手のひらを駆使し、うなずきながらの英語を制御してみましょう!
この情報がお役に立てたら幸いです。